介護職は、身体的にはもちろん精神的にもハードな仕事の一つといえます。何となくマイナスのイメージがあることから、幸せとは遠く感じる人も少なくないでしょう。
しかし、介護職同士や家族、関係機関と思いを共有することで、介護を楽しみながら行うことも可能になります。一人の高齢者の介護を多くの人でサポートすると、思い出を共有できたり辛い時は励まし合ったりすることも可能です。
最終地点が看取りだったとしても、お互いの健闘をたたえあい穏やかな気持ちで見送ることができます。このような思いを共有することによって、自分自身を見つめるきっかけにもなるでしょう。誰かと一緒に介護をすることが、自分の考え方や価値観に影響を与えてくれます。また、人生の先輩である高齢者と関わる中で、教わることもたくさんあるのです。
このような中で、介護職自身が人間性を深め、人間として成長を感じることができるでしょう。それは結果的に、介護職自身の可能性が広がるきっかけにもなります。キャリアアップを目指すにしてもよりよい施設づくりに取り組むにしても、「介護の仕事は楽しい」「仕事をしていると幸せを感じられる」という思いを持つ介護職が増えれば、それは高齢者のプラスにもなります。
高齢者の多くは、認知症などいろいろな症状を患っていることも多いかもしれません。しかし、どのような気持ちで相手が自分と向き合っているかは必ず伝わります。
介護を提供する側が幸せでなければ、高齢者に幸せは届けられないでしょう。介護を通して高齢者に幸せを感じてもらうためにも、介護職自信が仕事の中で幸せを見つける必要があるのです。